【ジブリ】何度観てもよく分からない「紅の豚」ーポルコが豚になった理由ー
前回の「もののけ姫」で味をしめたので、ジブリの解説2本目です。
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やはりテレビで放映されたモノってまだ需要があるんですね。
テレビを観ている層ってなかなか減らない印象。
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この記事では、何度観ても分かりにくい「そもそも、どうしてポルコは
豚なのか」という疑問を解説していこうと思います。
紅の豚あらすじ&ネタばれ
世界大恐慌の時代のイタリア、アドリア海を舞台に、飛行艇を乗り回す海賊ならぬ空賊(作中では空中海賊と呼ばれる)と、それを相手に賞金稼ぎで生きるブタの姿をした退役軍人操縦士の物語。
ポルコ・ロッソは空賊連中から市民を守る賞金稼ぎ。ときどき、想いを寄せる
マダムジ―ナの元を訪れる生活。ジーナはポルコが豚になった理由を聞きますが、
ポルコは答えません。
↓
空賊が用心棒に雇ったドナルドカ―チスがやってくる。闘いに負けたポルコは
飛行機を修理する。普段修理を頼んでいたピッコロの孫娘フィオに出会い、
彼女に設計を頼む
↓
島でリベンジマッチへ。空中戦では決着が付かず、殴り合いに。
ジ―ナのことばをきっかけに意識を戻したポルコが勝利。
↓
結末は非常にあやふやに終わります。
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どうしてポルコは豚なのか?
映画内で、ポルコは戦争で親友を失ったことが語られます。ポルコは
そのとき友人と同じように「不思議な雲」に向かうことができなかった。
彼はそれを振り返って「あれは、地獄だったのかもしれねぇ」と語る。
おそらく、ポルコは戦争をしていた頃の人間の自分が嫌い。かつ、
生き残ってしまった自分への「罪の意識」から侮蔑の対象になる
豚へと姿を変えたのでしょう。
飛べねえ豚はただの豚、の本当の意味
映画内では、ヨーロッパに世界恐慌の波が押し寄せていたことや市民の
生活が厳しくなっていることが描かれます。
そのため、飛行機乗りが自由な冒険家では生きていけず、国のために
働かなくてはいけない状況にある。
そこで自分に魔法をかけて、本来であれば「家畜」扱いされる豚で
ありながら、誰にも捕まらない自由な存在でありたいと願った
形なのかもしれない。
「飛べねぇ豚はただの豚」とは自由でなければ、家畜も同然だ。
という意味なのだ。
純粋な飛行機乗りのオマージュが「豚」だった。
宮崎監督が「飛行機」について語っていた。
「どんなものでも黎明期はキラキラとしているけど、それは現実に
国家や資本の論理に組み込まれてしまう」と。
国家や資本の利害関係で生きるのが「人間」だとしたら、
飛行機乗りの純粋な姿は「豚」なのかもしれない。
純粋に飛行機を愛している人への憧れを、豚の主人公を
通して描きたかったのだ。
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