『話を簡単にする人』が増えるとマズい訳ー日本習合論ー内田樹

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内田先生の、『日本習合論』が最近抱えていた謎を紐解いてくださったので色々とシェアしながら何かを書こうと思う。


内田樹先生の新刊『日本習合論』最新情報

https://www.mishimaga.com/books/nihonsyugohron/002523.html


本日発刊、『日本習合論』編集担当ミシマが語る内田先生との本作り&店頭速報


「このままだと少数派が自信をなくすばかりで、少数派のない社会になってしまう。それが一番危険なことであり、共同体が修復力をなくす最大の要因となる」という危機感が・・・。

引用



本の中では、
「今の人は孤立する力、長い留保に耐える力がいささか足りないのではないか」

「「少数派であっても平気」という気構えを持つ人が必要」と断定されている。


先生は、『他人が言いそうにないこと』を言うべきであるとよく書かれている。

これは、みんなと同じことが立ち行かなくなったときに行き着く島がないからで。


タイトルにもある『習合』は、宗教の用語で
幾つかの教義などを取り合わせ折衷(せっちゅう)すること。

である。

食い合わせの悪いものをどうにか、上手く組み合わせることの表現として、習合が使われている。


近頃は『話を簡単にしたがる人』が増えているのは、そこへの胆力がなくなっているからだというのだ。

僕も、ワンチームとか絆といったフレーズが嫌いなのだ。

ここには少数派の発想がなく、ゼロかヒャクかでしか考えられない状況がよく現れている。

隣にいる人間が、自分と違う思考であっても何かを成し遂げることは可能ではないかと。

僕が抱えていた、気持ち悪さを解消してくれる一冊だった。